では「形状記憶アライナー」とは、同じインハウスアライナーの熱可塑性タイプとは何が違うのでしょうか?
まず製造方法が異なります。形状記憶アライナーの場合、スキャナーによる型取り後、レジン模型を製造する過程を飛ばし、3Dプリンターで直接アライナーをプリントします。そのため、歯列への適合も非常に良くなります。
また、アライナーの素材が異なります。企業型アライナーも、インハウスアライナーの熱可塑性タイプも一枚の平らなプラスチックシートから製造されるため、形状記憶の効果はありません。もし形状記憶の効果が入れば、再び平らなシートに戻ってしまうからです。直接プリントするからこそ、形状記憶の効果を入れることができるのです。ワイヤー矯正では、形状記憶ワイヤーを使用することがスタンダードです。弱くて持続的な力を発揮できるのが形状記憶ワイヤーの特徴ですが、歯を移動するのに大変優れた”形状記憶の特徴”を備えたアライナーが、まさに「形状記憶アライナー」です。企業型アライナー→クリニック内で製造可能な熱可塑性タイプのアライナー→形状記憶アライナーと、アライナー型矯正装置はデジタル技術の進化と共に世代が変わっています。
さらに大きく異なる点として、インハウスアライナーは治療計画を二ヶ月ごとに立案できる点があります。
企業型アライナーでは、最初のスキャニング(型取り)で治療のゴールまでシミュレーションします。つまり1回の型取りから、1~2年後の歯列の動きを予測して治療計画を立てるため、途中で調整ができません。
一方インハウスアライナーは、約二ヶ月に一回スキャニング(型取り)を行う度に、歯の移動計画をたてられるため、シミュレーション通りに歯が移動していない場合でも修正が効きます。
例えると、カーナビゲーションでゴールを設定したらナビ通りにゴールまで向かうのが企業型アライナーだとすると、ゴールは同じでも渋滞を予測して迂回する道を運転手の判断で運転していくのがインハウスアライナーといえるでしょう。これは一、二ヶ月に1回は調整の必要なワイヤー矯正(マルチブラケット)に非常に近いと言えます。毎回、患者さんの歯列の変化を写真で追っていくのは、細かな調整が必要かチェックするためです。
当院では、二ヶ月に1回のスキャニング(型取り)の後、お顔/CTデータ/歯のデータを連動させたCADソフトによる分析を毎回ドクターが行います。
その治療計画を元に、アライナーのプリンティング(製造)を技工担当スタッフが行っております。
当院では、形状記憶の機能を持つアライナー型矯正装置を使用しております。「形状記憶アライナー/シェイプメモリーアライナー 略してSMA」に使用される材料は、韓国のGraphy社により開発され国内外で特許を取得、日本では薬事承認を受けた安全性の高い矯正装置です。海外ではPMDA,KFDA,GMP,FDA,ISO,CEを取得しています。
形状記憶の効果をもつレジン(樹脂)も各社から開発されていますが、口の中の温度(37℃)で形状記憶効果を発揮するレジン(樹脂)は今のところGraphy社製のみです。